大規模修繕は資産計上?修繕費?減価償却の基準とメリット・デメリット

大規模修繕の豆知識 2025.10.24 (Fri) 更新

こんにちは!修繕プランナー横浜の梅津です。

 

アパートやマンション経営をしているオーナー様からよくいただくご相談に、「大規模修繕の費用は資産計上しなければならないのか?それとも修繕費で落とせるのか?」 というものがあります。

大規模修繕は数百万円から数千万円規模の出費になるため、会計処理の仕方で節税効果やキャッシュフローに大きな違いが出ます。



本記事では、賃貸オーナーが知っておきたい「資産計上と修繕費の違い」「判断基準」「それぞれのメリット・デメリット」を分かりやすく解説します!

 

 

大規模修繕における「修繕費」と「資産計上」の違い

大規模修繕工事 横浜市

大規模修繕の会計処理は、大きく分けて 「修繕費(経費処理)」と「資産計上(資本的支出)」 があります。

  • 修繕費

    → 建物や設備を元の状態に戻すための支出。

    → 支出した年度に「経費」として全額計上できる。

 

 

  • 資産計上(資本的支出)

    → 建物の価値を高めたり、耐用年数を延ばすための支出。

    → 資産として計上し、法定耐用年数に基づき「減価償却」で少しずつ経費化する。

 

減価償却とは、建物や設備などの資産を購入・工事した際に、一度に全額を経費にせず、耐用年数に応じて毎年少しずつ経費化していく会計処理です。大規模修繕を資産計上した場合、この減価償却によって経費を分散して計上することになります。

 

 

 

修繕費で処理できる大規模修繕工事の具体例

  • 外壁の塗り直し

  • 防水工事のやり直し

  • 古くなった設備の部品交換

  • 原状回復のための補修

 → ポイントは「元の状態に戻す工事」であることです。

 

 

 

資産計上が必要になる大規模修繕工事と減価償却の考え方

  • 外壁を従来より高性能な素材に張り替える

  • エレベーターのリニューアル(全交換)

  • バリアフリー化や耐震補強工事

  • 間取り変更を伴う大規模改修

 → 「グレードアップ」「耐用年数延長」「新しい機能追加」に当たる場合は資産計上となります。

 

 

 

税務上の判断基準(法人税法基本通達)

国税庁の通達では、次のように整理されています。

  • 修繕費(経費処理)

    • 維持や原状回復のための修繕

    • 1件あたり60万円未満の工事、または耐用年数10年未満の部品交換は「修繕費」として処理できる特例あり

  • 資本的支出(資産計上)

    1. 耐用年数を延ばすもの

    2. 価値を増加させるもの

    3. 改造・改良・増設にあたるもの

 

 

 

修繕費処理のメリット・デメリット

メリット

  • 発生した年に全額を経費計上できるため、節税効果が大きい

  • キャッシュフローの改善につながる

  • 処理がシンプルでわかりやすい

 

 

デメリット

  • 大規模修繕の金額が大きいと、その年度の利益が一気に圧縮され、金融機関からの評価に影響する可能性がある

  • 工事の内容によっては税務署から「資産計上すべき」と指摘されるリスクがある

 

 

 

資産計上処理のメリット・デメリット

メリット

  • 長期にわたって減価償却するため、利益のブレが小さくなり経営計画を立てやすい

  • 将来の安定した経費計上につながる

  • 税務署から否認されるリスクが低い

 

 

デメリット

  • 修繕費と違い、一度に経費にできないため節税効果が分散される

  • 減価償却の管理が必要で、会計処理が複雑になる

  • 実際のキャッシュアウト(工事費の支払い)は一度に発生するため、資金繰りに注意が必要

 

よくあるケース

  • 外壁塗装・屋上防水 → 修繕費として処理できる場合が多い

  • エレベーター全交換・耐震補強 → 資産計上が必要

  • 屋根の葺き替え(より高性能な材質に変更) → 資産計上される可能性あり

 → 曖昧な工事内容の場合は、工事見積書や工事契約書を添えて、税理士と相談するのがベストです。

まとめ

賃貸オーナーにとって、大規模修繕の費用処理は経営に直結する重要なポイントです。

  • 原状回復・維持管理のための工事 → 修繕費で処理可能

  • 耐用年数を延ばす・グレードアップする工事 → 資産計上が必要

 

賃貸マンション・アパートの大規模修繕は、工事内容によって「修繕費」か「資産計上」に分けられます。

修繕費は即時に全額経費化でき、資産計上は減価償却により長期的に経費化していく処理です。

 

節税効果を重視するなら修繕費、利益の安定を重視するなら資産計上と減価償却が有利になるケースもあります。



大規模修繕の資産計上や減価償却は、経営に直結する重要な判断です。必ず税理士と相談し、あなたの賃貸経営に最適な方法を選びましょう。

大規模修繕は「建物の価値を守る」だけでなく「会計処理で資産を守る」ことも意識して進めていきましょう。

 

 

 

 

よくある質問FAQ

大規模修繕の資産計上や修繕費処理については、賃貸オーナー様からもたくさんのご相談をいただきます。



「これは修繕費でいいの?」「資産計上にしたほうが有利?」といった疑問は非常に多いテーマです。

そこで今回は、実際によく寄せられる質問をまとめました。

ぜひ参考にして、ご自身の賃貸経営に役立ててください。

「大規模修繕の費用、全部経費にできる?」

すべてを修繕費にできるわけではありません。外壁塗装や防水工事など「原状回復目的」は修繕費ですが、耐震補強や設備更新のように「建物の価値を高める工事」は資産計上が必要です。

 

「修繕費と資産計上、判断するのは誰?」

 最終的にはオーナーの判断ですが、税務リスクを避けるためには税理士に確認するのが安全策です。見積書や工事内容の説明資料を基に判断しましょう。

 

「修繕費と資産計上、結局どっちが得?」

節税を重視するなら修繕費、利益の安定を重視するなら資産計上が有利です。オーナーの経営方針や資金繰りによって使い分けましょう。

 

「修繕費って金額の上限はある?」

上限は明確にはありません。ただし、数千万円規模をすべて修繕費にすると税務署から資産計上を指摘される可能性があります。金額よりも工事の内容が重要です。

「個人オーナーも法人と同じルール?」

はい、基本は同じです。資産計上した工事は、個人でも減価償却が必要です。

 

 

 

関連するよくある質問(FAQ)

「大規模修繕ってローンで借りられる?」

はい。金融機関によって「大規模修繕ローン」「リフォームローン」があります。自己資金だけで賄えない場合は検討の余地ありです。

 

「工事は一括でやるしかないの?」

いいえ。外壁、防水、設備などを分割して実施することも可能。資金繰りや税務戦略次第で調整できます。

 

「個人オーナーと法人、どっちが有利?」

法人は赤字繰越ができて計画的、個人は累進課税のため所得が高いほど修繕費処理の節税効果が大きい。状況によって有利不利が変わります。

 

最後に

大規模修繕は単なる「建物の工事」ではなく、オーナーの経営を左右する会計戦略でもあります。

修繕費と資産計上、それぞれのメリットを活かしながら、あなたの賃貸経営に最適な選択をしていきましょう。

 

横浜市でアパート・マンションの大規模修繕、外壁塗装、防水工事を検討している方は、是非この記事を参考にしてくださいね!

 

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