RC(鉄筋コンクリート)造のマンションにお住まいの方へ: 屋上の「膨れ・剥がれ」の正体

防水工事大規模修繕の豆知識 2026.06.05 (Fri) 更新

こんにちは!

修繕プランナー横浜の倉持です。

マンションの屋上を普段じっくり見る機会は、あまり多くありませんよね。

ですが、点検の際に「防水が膨れている」「表面が剥がれている」と指摘され、不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

屋上の膨れや剥がれは、RC造マンション特有の構造や防水の仕組みと深く関係しています。


この記事では、その正体と原因、放置した場合のリスク、そして適切な対処の考え方までを分かりやすく解説しますね!

 

 

1.屋上でよく見られる「膨れ・剥がれ」とは

 

*屋上の「膨れ・剥がれ」って、どんな状態?


屋上の「膨れ」と聞くと、あまりピンとこない方も多いかもしれません。

簡単に言うと、屋上の床の表面が、部分的にぷくっと盛り上がってしまう状態のことです。

遠くから見ると気づかない程度でも、近くで見ると
「なんだか浮いている?」
「床が少し波打っている?」と感じることがありますよね。

この膨れは、表面だけが膨らんでいるように見えて、実はその下で空気や水分がたまっているサインなんです。

踏んでみると、少し沈んだり、柔らかく感じたりすることもあります。

普段、屋上に上がる機会が少ないマンションでは、点検のときに初めて指摘されて、驚かれる方も少なくありません。

そして、この「膨れ」がさらに進んでしまった状態が「剥がれ」です。
屋上の表面が、下のコンクリートから離れてしまい、めくれたり、破れたりしているのが目に見えて分かります。

この状態になると、「見た目が少し悪い」というだけでなく、雨水が入りやすくなっている状態でもあります。

特に、端のほうがめくれていたり、表面が破れている場合は、風や雨の影響で、どんどん広がってしまうことも。

「今は雨漏りしていないから大丈夫」と思ってしまいがちですが、実際には、建物の中で少しずつ傷みが進んでいるケースもあるのです。

 

*小さな変化でも、実は大切なサイン


膨れや剥がれは、最初から大きく目立つわけではありません。
ほんの小さな違和感として、静かに現れるんです。

ですがそれは、
「屋上の防水が弱ってきていますよ」
「そろそろ点検や対応を考えてくださいね」という、建物からのサインでもあります。

RC(鉄筋コンクリート)造のマンションでは、雨漏りが起きる前に、こうした症状が先に出ることが多いのが特徴です。

早めに気づいて対処できれば、大がかりな工事にならずに済むこともあります。

だからこそ、膨れや剥がれは「よくあること」と軽く考えず、一度きちんと確認してみることが大切ですね。

 

 

2.なぜRC造マンションで起こりやすいのか

 

*コンクリートに残る水分


RC(鉄筋コンクリート)造のマンションは、コンクリートを流し込んで形を作るため、建てられた時点で内部に多くの水分を含んでいます。

この水分は年月とともに少しずつ抜けていきますが、屋上のコンクリートは厚みがあり、乾きにくいため、内部に水分が残りやすい場所です。

そのため、見た目には問題がなくても、コンクリートの中では水分が静かにとどまり続けていることがあります。

この「目に見えない水分」が、後々の膨れの原因につながります。

 

*屋上の環境と防水の構造


屋上は、建物の中で最も自然環境の影響を受ける場所ですよね。
夏は強い日差しで高温になり、冬は冷たい空気にさらされます。

この暑さと寒さのくり返しによって、コンクリート内部の水分や空気が動きやすくなります。

特に夏場は、水分が水蒸気になろうとして体積が増え、逃げ場を失うと、防水の下から押し上げる力になります。


これが、屋上に「膨れ」として現れる仕組みです。

さらに、屋上には雨水から建物を守るために防水工事が施されています。
これはとても重要な役割ですが、同時にコンクリートの表面を覆う「フタ」のような状態にもなります。

そのため、内部に残っている水分や空気が外に逃げにくくなり、条件が重なると、防水層を下から押し上げてしまいます。

これは施工ミスというより、RC造マンションでは起こりやすい性質のひとつと考えると分かりやすいでしょう。

 

 

3.膨れの主な原因

 

*防水の下にたまる空気や水分


屋上の膨れの一番大きな原因は、防水の下に空気や水分がたまってしまうことです。

コンクリートの中に残っていた水分が、暑さの影響で水蒸気になろうとすると、体積が増えます。

ところが、防水で表面が覆われているため、その空気や水分は外に逃げることができません。

行き場を失った圧力が、防水層を下から押し上げ、結果として「ぷくっとした膨れ」ができてしまうのです。

 

*施工条件と年月による劣化の影響


防水工事を行う際、下にあるコンクリートが十分に乾いていないと、後から膨れが起きやすくなります。

見た目には乾いているように見えても、コンクリートの内部には水分が残っていることが多く、その状態で防水をすると、水分を閉じ込めてしまいます。

特に、
・築年数がそれほど経っていない
・前回の工事から間が空いていない

こうした場合は、膨れが起きやすい条件がそろいやすくなります。

また、屋上の防水は常に日差しや雨、風にさらされているため、年月が経つにつれて少しずつ劣化していきます。

防水材が硬くなったり、接着力が弱くなったりすると、内部からの圧力に耐えきれなくなり、膨れが出やすくなります。

「急に膨れが出た」と感じる場合でも、実際には長年の劣化が積み重なった結果として表に現れているケースが多いのです。

 

 

4.剥がれが起きる仕組み

 

*膨れの進行と自然環境の影響


屋上の「剥がれ」は、突然起きるものではありません。
多くの場合、先に起きていた膨れが少しずつ進行した結果として現れます。

膨れた部分は、防水が下から押され続けている状態です。
そのため、常に無理な力がかかっており、時間が経つにつれて、防水とコンクリートのくっつきが弱くなっていきます。

やがて耐えきれなくなると、表面がめくれたり、端から浮き上がったりして、「剥がれ」として目に見える形で現れます。

さらに、剥がれは風や雨といった自然の影響がきっかけで、一気に目立つようになることもあります。

たとえば、
・強風でめくれた部分が引っ張られる
・雨水が入り込み、さらに浮きが広がる

といったことが起こります。

一度すき間ができると、そこから水や空気が入り込み、剥がれは少しずつ広がってしまいます。

 

*剥がれは防水の「危険信号」


剥がれが見えている状態は、すでに防水の役割が十分に果たせていないサインです。

防水は、本来、雨水をしっかりと止めることで、コンクリートや建物全体を守っています。

その防水が剥がれてしまうと、雨水が直接内部に入りやすくなり、雨漏りやコンクリートの傷みにつながる可能性が高くなります。

見た目の変化が小さくても、剥がれは「早めに対応したほうがよい状態」だと考えておくと安心です。

 

 

5.放置するとどうなる?

 

*雨漏りや建物内部の劣化につながる可能性


屋上の膨れや剥がれをそのままにしておくと、一番心配されるのが雨漏りへの発展です。

防水が傷んだ部分から雨水が入り込むと、すぐに室内へ水が落ちてくるとは限りません。

多くの場合、コンクリートの中をゆっくりと伝い、気付いたときには被害が広がっていることがあります。

「天井にシミが出てから分かった」
「下の階で雨漏りが起きて初めて気付いた」
というケースも、決して珍しくありません。

さらに、雨水がコンクリートの中に入り込むと、建物の中で少しずつ傷みが進んでいきます。

鉄筋が入っているRC造では、内部に水が入ることで鉄筋がさびやすくなることもあります。

この状態が長く続くと、建物全体の耐久性にも影響が出てしまいます。

外からは見えない場所で進行するため、気付いたときには修繕の規模が大きくなっていることもあります。

 

*修繕費用や生活への影響が大きくなることも


膨れや剥がれの初期段階であれば、部分的な補修で対応できる場合もあります。

しかし、放置して劣化が進んでしまうと、屋上全体の防水工事が必要になるケースもあり、結果的に修繕費用が大きくなることがあります。

「もう少し早く対応していれば…」と後から感じることが多いのも、このケースです。

また、雨漏りが起きると修繕工事中に音やにおいが発生したり、洗濯物やベランダの使用に制限が出ることもあります。

日常生活への影響をできるだけ小さくするためにも、膨れや剥がれは「見つけた時点で確認する」ことが大切ですね。

 

 

6.点検時にチェックしておきたいポイント

 

*見た目の変化を確認する


屋上の点検では、まず見た目の変化を確認することが大切です。

床が部分的に盛り上がっていたり、表面が波打って見えたりする場合は、膨れが始まっている可能性があります。
遠くから見ると分かりにくいこともありますが、角度を変えて見てみると、わずかなふくらみや浮きが確認できることもあります。

また、端のほうがめくれている、表面に破れがあるといった状態は、剥がれが起きているサインです。

こうした変化は、最初はほんの小さなものでも、時間とともに少しずつ広がっていくことがあります。

そのため、「前に見たときと少し違う気がする」「以前より目立ってきたかもしれない」と感じた場合は、その場所を覚えておくことが大切です。

小さな変化でも、早めに気づくことが屋上の状態を守る第一歩になります。

 

*歩いた感触や傷みやすい場所をチェックする


安全が確保されている範囲であれば、歩いたときの感触も大切なチェックポイントです。

踏むと少し沈む、ブカブカする感じがある場合は、防水の下に空気や水分がたまっている可能性があります。

無理に踏み続ける必要はありませんが、違和感を覚えた場所は覚えておくと、点検時の説明に役立ちます。

また、屋上の中でも、壁との境目や排水口のまわりは、水が集まりやすく、傷みやすい場所です。

排水口のまわりが浮いていたり、ゴミや落ち葉がたまって水はけが悪くなっていたりすると、膨れや剥がれ、雨漏りにつながりやすくなります。

点検の際は、床全体を見るだけでなく、こうした部分を少し意識して確認しておくと安心です。

日頃から簡単にチェックしておくことで、屋上の異変に早く気づきやすくなります。

 

 

7.適切な対策と修繕の考え方

 

*状況に応じた対応を考える


屋上の膨れや剥がれが見つかったからといって、必ずしもすぐに大規模な工事が必要になるわけではありません。

状態が軽い場合や、範囲が限られている場合は、部分的な補修で対応できることもあります。

大切なのは、今の状態をきちんと確認したうえで判断することなんです。

膨れや剥がれの大きさ、広がり方、屋上全体の防水の状態などを見ながら、どの程度の修繕が必要なのかを考えていくことが大切です。

早い段階で状態を把握できれば、比較的負担の少ない方法で対応できることもあります。

 

*再発を防ぐ工夫と情報共有


修繕を行う際には、「直すこと」だけでなく、「再発を防ぐこと」も重要なポイントですよね。

RC造マンションの屋上では、コンクリート内部の水分や空気を逃がす仕組みを取り入れた防水工法が選ばれることがあります。

こうした工法を採用することで、膨れが起きにくい状態をつくることができます。

また、屋上の修繕は、居住者個人で判断するものではなく、管理組合や管理会社と一緒に進めていくものです。

点検結果や写真をもとに説明を受け、
「なぜこの工事が必要なのか」
「どの程度の修繕になるのか」
を理解したうえで検討することが、安心につながります。

分からないことは遠慮せずに確認し、納得しながら進めていくことが大切ですね。

 

 

8.まとめ

屋上の「膨れ」や「剥がれ」は、
RC(鉄筋コンクリート)造のマンションでは、決して珍しいものではありません。
多くの場合、建物の構造や屋上という環境の中で、
時間をかけて少しずつ起きてくる現象です。

ただし、
「今すぐ雨漏りしていないから大丈夫」
「見た目が少し気になるだけ」
と放置してしまうと、
後から修繕の規模や費用が大きくなってしまうこともあります。

一方で、
早めに状態を確認し、必要な対応を取ることができれば、
大がかりな工事を避けられるケースも少なくありません。

屋上は普段あまり意識しない場所ですが、
マンション全体を守るとても大切な部分!
点検の機会があれば、
「どんな状態なのか」「今後どう考えていくのか」を
知るきっかけにしてみてください。

小さな気付きと共有が、
これからも安心して住み続けるための大きな一歩になりますよ。

 

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